JRLテックログ

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管理職だけが喋る報告会(間違った報告会)

 先日とある会社の開発テーマ月例報告会にオブザーバーとして参加しました。参加者は、開発担当の役員さん、開発部長、営業関係者数人、製造部門数人に、当然のことながら、開発部門の課長さんと担当者全員という顔ぶれでした。多くの人が参加しており、開発テーマの方向性、場合によってはクローズの判断をする重要な報告会です。当然のことながら、担当者の人が報告して、役員、部長、営業や製造部門などの人たちが質問をするなどしながら、必要に応じて直属上司の課長さんがフォローするなど、それぞれの立場で、他の担当者の方も含めて活発な議論がされ中で、専門的見地、利害からは離れた第3者といった役割で私は発言するものと想定していました。

 しかし、実際にはその想定は大きく崩れました。今回は、そんな予想外の会議の状況と問題点について書いてみたいと思います。

  いざ報告会が始まると、報告は全て課長さんが行い、質疑も部長以上の人達しか参加しない状態で進んでいきます。開発担当者はというと、座っているだけか、試作品を関係者に回覧するときのお手伝いをするだけでした。時々、質問に答えられない時に課長から確認されて答えるぐらいです。ただし、それも報告会の発言してではなく、課長に対して説明するような感じです。もちろん、営業関係者も製造部門の関係者も部長級以上のみが発言しており、その他の人たちはほとんど口を開けません。

 

 これでは、担当者の人達は参加している意味はほとんどありません。確かに、会議の流れを共有するということはできますが、それだけであれば議事録を読めば済みます。全くの時間の無駄です。そもそもの問題は、なぜ課長がすべて報告しているのでしょうか。報告内容も報告資料もおそらくは担当者の人が報告したものや準備したものをベースにしているはずです。当然のことながら、担当者本人が一番内容を把握しているはずです。であれば、担当者本人が報告するのが最も効率的であると言えます。これでは、2度手間、3度手間で時間も2重、3重に無駄になっています。

 

 また、もう一つ、教育的観点からも懸念があります。やはり、こういう場で報告するのは緊張もするでしょうし、ある程度の慣れ、経験も重要となってきます。いきなり社外で行うのはハードルも高いでしょうから、そういう意味では社内の報告会というのはとても良い教育訓練の場であると言えます。ところが、それを課長が全てやってしまっては、せっかくのチャンスを潰してしまっていると言えます。資料作りから、報告の本番、質疑対応までとても良いOJTの場にもかかわらずです。

 

 ここまでではなくても、会議のほとんどが役職者の独壇場で、その他の一般担当者、参加者は意見を言えるような雰囲気になっていない会議はたくさんあり、読者の皆さんも経験されているかもしれません。会議の参加者は参加する意味、目的がある人だけにするのが本来の姿です。そして、参加したからには発言があって当然です。ただ座っているだけであれば参加する意味はなく、時間の無駄です。

 

 会議を意味あるものにするために、会議の本質を今一度見直しましょう。

 

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