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交渉、提案のポイント・コツ(意識決定プロセスに合わせる)

 企業活動を行っていく上では、様々な交渉や提案の場が存在します。当然のことながら、交渉や提案は、双方が情報や要求を出し合いながら進んでいきます。そして、どのような場合も双方が考えることは同じで、相手の意識決定を自分の意図する方向に誘導することです。しかし、現実には他人の意思を自分の思い通りにコントロールすることは容易なことではありません。

 そこで、今回はそのような場面において重要となる、情報や要求の提示の仕方について書いてみたいと思います。

  スムーズに交渉や意思決定を進める上では、人の意思決定プロセスの理解が極めて重要となります。この意思決定プロセスをフォローするように情報や要求を出して全体のストーリーを組み立てていくことが、場をコントロールする基盤となります。すなわち、相手の思考に合わせて場を構築し、コントロールすることで、相手の理解を助け、思考を誘導しやすくするのです。

 

 もちろん、場合によっては、いきなり最終通告のような要求を突き付けるという戦略もありますが、これは交渉の決裂も想定した極めて特殊なケースです。通常このような戦略を取った場合には、意思決定のプロセスやストーリーといったものは生まれず、双方の要求の応酬になり、結局はYes-Noの二択になってしまうことがほとんどです。しかし、これでは交渉や提案とは到底言えません。そのため、前述のように人の意思決定プロセスを理解して進める必要があるのです。

 

 では、意識決定のプロセスとはどんなものかというと、一般的には次ような流れになります。

 

 問題の認識

   ↓

 状況の分析

   ↓

 価値の判断

   ↓

  決断

 

 従って、まずは何に対してその交渉や提案の場が設けられているのか、どんな問題を解決しようとしているのか、何を目指しているのかというゴールを双方が確認し合うことが大切です。例えば、一方が決裂も辞さずというようなスタンスであるのにたいして、他方は何としても合意に至りたいと思っていては交渉は制反対からスタートすることになり困難を極めるでしょう。まずは、互いの「考え」、「思い」を認識する必要があります。

 より具体的には、交渉や提案の内容、要求などを双方が確認し合うことになります。この段階で情報や不十分であったり、間違っていたりすると、誤解を生じてその後のプロセスが影響を受けることになります。

 

 そして、双方が自らの要求も含めて交渉の場が置かれている状況を認識することが必要となります。何が障害になっているのか、どれぐらい双方の間に距離があるのかいった情報を得ることで交渉の状況を分析することが可能となります。そうすることで、最終着地点の想定も可能となります。そして、もう少し要求を強める、弱めるというような判断していくことも可能となります。従って、この段階から交渉や提案における駆け引きをスタートしているということになります。よって、互いにこのフェーズでは駆け引きの材料を場に提供していくことになります。

 

 その上で、双方が相手の要求とこちらの要求を照らし合わせて、両者のバランスを吟味して合意オプションの価値を判断します。よって、このフェーズではこちらの提案に合意することの隠れた潜在的価値や、合意に至らない場合の損害等を示すことでこちらの提案の価値を上げるようにします。

 

 そして、この価値判断を元にして最終的な決断をすることになります。よって、このフェーズでは、相手の決断を促す最後の一押しとなるような、例えば、隠し玉的な提案を出すなどの戦略を取ることになります。

 

 交渉や提案には様々な戦略がありますが、共通するのは相手の思考を予想して、それを誘導することにあります。従って、各フェーズで相手の欲している情報を適切に提供することでスムーズに交渉を進めることができます。相手が必要としている情報が出てこないと、相手はいつまでたっても結論を出すことができません。

 

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