採用活動は企業にとって生命線の一つであり、必ず行われることの一つです。そして、採用活動の中心になるのが選考であり、その主たる方法が採用面接です。しかし、この採用面接がいまだもって紋切り型の金太郎飴状態であるということはあまり意識されていません。
そこで、今回はこの採用面接で問うべき質問について書いてみたいと思います。
このブログを読んでくださっている方は様々かと思いますが、採用面接と関わったことが無いという方は皆無と言っても過言ではないでしょう。確かに、採用する側で関わった方は少ないかもしれませんが、採用面接を受ける側という立場では関わったと言えます。そこでどんなやり取りがされたでしょうか。
- 氏名
- 履歴(出身大学、学部等)
- 経歴(専攻、課外活動等)
- 志望理由
- 将来の希望
- 長所、短所
- 想い(大切にしていること、こだわりなど)
- 質問があればどうぞ
などはほぼ決まりごとのように問われる内容と言えます。もちろん、これらの情報を問うことが重要であることは否定されません。しかし、これで終わって本当に選考できるのかということになると疑問の余地は多分にあります。もっと言えば、これで期待する仕事ができるのか、成果を出せるのか、そして、期待する成長をするのかということが果たして確認できるのでしょうか。
もっと直接的な質問をするべきです。
すなわち、実際に仕事をしているシーンを想定して、どのような考え方をするのか、どう行動するのかということを聞けば、その人の実務のおける思考や行動を推し量ることができます。
例えば、
- 実験の計画はどのように立てますか。
- 自分には無理そうな仕事がアサインされたらどうしますか。
- 失敗をしたらどうしますか。
- 分からないことが出てきたらどうしますか。
- どうしてもうまくいかないときはどうしますか。
など、実務シーンを想定した質問をするのです。実際にはもう少し具体的なシーンを想定した方が良いのですが、ここでは例示として示しています。
そして、返答をさらに深掘りしていきます。例えば、「上司に相談します」といった答えが返ってくることが想定されます。ここで終わってしまっては意味がありません。そこで、どんなふうに相談するのか、を問います。そこで、例えば失敗した時の例で言えば、
- 失敗の内容や経緯を説明する
と答える人もいるでしょうし、
- 失敗の内容経緯+どうリカバリーするか
という提案まで含めて相談するという人もいるでしょう。
当然のことながら、後者の方が人材としてはポイントが高いと言えます。
このように、実際のシーンを面接の場でシミュレートすることでミスマッチを大きく減らすことが出来ます。そうなると、面接官も人事部やマネジメント層だけでなく、課長層などの現場指揮官が含まれていることが望ましいと言えるでしょう。
採用においては、「どんな人が欲しい」というのがまずあって、面接はそういう人財かどうかを見極める場です。それを理解していれば、冒頭の紋切り型の質問では全く足りないということが容易に理解できるかと思います。