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交渉における賢明な合意とは(交渉のコツ・ポイント)

 交渉には様々なタイプがありますが、それらすべてに共通するゴールとは言うまでもなく、「合意」です。しかし、合意と一言で言っても多種多様です。いわゆる、win-winで双方が目的を達成できるハッピーな合意もあれば、妥協の産物となってしまうこともあります。では、ハッピーエンドな合意とは具体的にはどんなものでしょうか。ここでは、それを「賢明な合意」と呼んで考えてみたいと思います。

 前述のように目指すべきゴールは「合意」のはずなのですが、実際には多くの交渉で勝ち負け、すなわち、自分の主張を通すことが正解であると考えられてしまうことが少なくありません。しかし、自分主張が必ずしも最適な解であるというわけではないことは言うまでもありません。

 

  また、理想の合意は、もちろん前述の通りwin-winで双方の目的が達成できるものですが、互いの利害や考え方の相違もあり、現実には完全に理想的な合意に至るケースは残念ながら少ないと言えます。多くは、妥協まではいかないまでも、調整が必要になります。そんな中で、賢明な合意に至るためにはどのようなことを考える必要があるでしょうか。

 

 一つ目は、「正当な要望の充足」です。それぞれ当然ながら要望、要求があるわけですが、コンフリクト(衝突)するものもあります。また、自分たちの利益だけを考えたり、バランスの取れない不当な要求というものもあります。賢明な合意に至るためには、論理的視点はもちろん、社会通念、常識等も考慮したバランスの中で、「正当」と言えるような要望の充足を優先することが必要となります。

 

 二つ目は、「利害の公平な調整」です。前述のように交渉においては、文字通り双方の要望・要求を出し合って互いにそれらを調整する交渉が必要となります。この時に、力関係や立場の優位を使って一方に有利な要望だけが通ればそれは交渉とは呼べません。従って、双方が対等な立場に立って、要望の正当性等も考慮しながら調整(交渉)行っていく必要があります。

 

 三つ目は、「合意の持続性」です。交渉とは、その場限りのものではありません。交渉の後が本番、本体であると言えます。交渉の場ではとりあえず合意ということにしておいて、後でそれらが守られないような状況では交渉自体の意味がなくなってしまいます。従って、形式的な合意を優先するものではなく、実体として機能する合意を形成する、すなわち、持続できる合意を目指す必要があります。

 

 これらの要素が満足された時、賢明な合意を形成することが可能となります。

 

 ただし、実は賢明な合意にもう一つの要素が加えられることもあります。それは、「社会全体の利益」です。上記三つの要素は基本的に当事者だけの内容です。しかし、当事者だけの都合で合意を形成すると、社会全体に影響を与えることがあります。例えば、カルテル、談合などです。従って、社会通念や常識、論理性といったことを忘れないということも重要となります。

 

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