以前の人材採用は、大学の研究室訪問や紙ベースのリクルート雑誌などが主流でしたが、現在は皆さんご承知の通りインターネットに移行しています。ネット上の募集についても、いわゆるリクルート系のサイトへの出稿もあれば、自社HP上での募集などや、中途採用の場合などには斡旋業者にスペックを伝えて登録者の中の該当人材を紹介されるといった方法など様々な手段があります。このように、昨今では採用方法の多様化が進んでいますが、共通するキーワードには「インターネット」があります。
そこで、今回は採用とインターネットの関係について書いてみたいと思います。
最近主流になりつつあるいずれの採用方法においても、共通する重要なポイントは、実はインターネットを使うという点において、閲覧数を増やすということが挙げられます。いわゆるSEOと呼ばれるものです。すなわち、SEOの本来の意味の通り如何にして応募者の閲覧数を増やすかということがインターネット経由での採用活動では必要不可欠な養子であると考えられています。確かに、閲覧の絶対数、母数を多くすることは重要であると言えます。しかし、数が多ければ良いのでしょうか。
ここで重要となるのがコンバージョンの考え方です。コンバージョンとは、閲覧者の中でどれぐらい人が目的とする行動をとってくれたかという指標です。ネットショップであれば、閲覧者は来店者数であり、コンバージョンとはその中でいったい何人が実際に商品を買ってくれたかということになります。言うまでもなく、来店数を増やすことも重要ですが、一番重要なことは購買者数を増やすことです。仮に、1000人来店して10人しか購入しないよりは、100人で10人の方が接客コストを考えると効率的であると言えます。
すなわち、採用プロセスにおいては、応募という行動をとってくれるかどうかということになります。いくらたくさんの人が見てくれても、応募に至らなければ意味はありません。
次に重要となるのが、ターゲッティングです。すなわち、誰を、どんな人を狙うか狙うかということです。前述の閲覧数やコンバージョンがいくら高くても、それらが必要なターゲットによるものでなければ、特に人材採用においては意味はありません。例えば、閲覧数や応募数ばかり多くて、必要なスペックを持った人材が少なければスクリーニングも含めて手間と労力ばかりが増えていくことになります。
これらを踏まえると、如何にして必要な人材の目に触れさせて、応募という行動を起こさせるかということが重要であることが分かります。
では、どうすれば良いか。複数の方法が考えられますが、例えば、必要な人材の行動を予測して、彼らが目にするところに情報を置くということが挙げられます。具体的には、それらの人材が良く立ち寄るサイトに募集告知を表示するなどです。ちなみに、これはまさにインターネット広告において主流となりつつあるターゲッティング広告と同じです。そして、次に目にしたターゲットが行動するためには、彼らが欲するものを提供しなければなりません。すなわち、採用条件です。ターゲットが給与を重視すると予想するのであれば、そこを重要ポイントとして条件設定することになり、仕事のやりがいを重視すると予想するのであれば、より具体的な業務内容を説明することが必要となるでしょう。そのようにすることで、真のターゲットの行動へと繋げることができるとともに、よりマッチした人材の応募を期待することができます。